いがらし歯科医院といがらし歯科イーストクリニックは共同で毎月、院内セミナーを行っております。
院内セミナーは、毎月スタッフがランダムで3〜4人調べたものを発表します。9月は19日の診療後に行われました。
今回は歯科技工士さんが、時間ロス削減について発表しました。

当院では「患者さんの負担をできるだけ減らしたい」という思いから、診療の中での工夫を常に考えています。診療の回数が増えたり、治療時間が長くなったりすると、それだけで疲れを感じてしまいますよね。今回の発表では、そうした“時間のロス”を減らすための方法がいくつか紹介されました。

まずスプリントと呼ばれるマウスピースについてです。これは歯ぎしりや食いしばり、顎関節症を和らげるための装置で、インプラント治療後の歯を守るためにも使用されます。スプリントを作るときには、上あごの模型を二つ準備する必要があります。一つは材料を固めるため、もう一つはお口に合わせる前に細かい調整を行うためのものです。あらかじめ二つ作っておくことで作業がスムーズになり、治療にかかる時間を減らすことにつながります。

また、入れ歯をお使いの方に新しい装置を作る際には、通常の型取りに加えて「入れ歯をつけたままの型(取り込み印象)」や「入れ歯そのもののスキャン」が必要になることがあります。少し特別な作業に感じられるかもしれませんが、これを行うことで調整にかかる時間が短くなり、診療がスムーズに進みます。結果的に患者さんにかかる負担が軽くなる大切な工夫なのです。

さらに、インプラント手術で用いる「サージカルガイド」という装置についても紹介されました。これは事前に撮影したCTデータをもとに作られ、安全で正確な手術をサポートするものです。その際に重要なのは仮歯(TEK)を外してCTを撮影することです。仮歯はCT画像に映らないため、外して撮ることでデータを正しく重ね合わせることができます。場合によっては仮歯をつけた状態の模型も必要になりますが、これは手術中にガイドを安定させるために役立ちます。

一見すると「模型を二つ作る」「追加で型取りをする」などは手間に感じられるかもしれません。しかし実際には、こうした工夫によって診療時間が短くなり、患者さんが何度も来院しなくて済むようになります。つまり余分な負担を減らし、安心して治療を受けていただくために欠かせない取り組みなのです。これからも当院では、スタッフ全員で知識を共有しながら、地域のみなさまに安心と信頼をお届けできるよう努めてまいります。