いがらし歯科医院といがらし歯科イーストクリニックは共同で毎月、院内セミナーを行っております。院内セミナーは、毎月スタッフがランダムで3〜4人調べたものを発表します。11月は13日の診療後に行われました。今回は歯科衛生士が2つの歯周病症例について発表しました。 どちらも、歯周基本治療を丁寧に積み重ねることで改善がみられたケースです。

■ 症例① 広汎型慢性歯周炎(ステージⅡ グレードB)

最初の症例は、歯ぐきの腫れや出血があり、過去の治療歯のトラブルをきっかけに来院された患者さんです。歯周ポケットが全体的に深くなっており、レントゲンでも骨の吸収が確認されました。喫煙歴もあり、歯周病の進行リスクが高い状態でした。

治療は、口腔衛生指導・クリーニング・スケーリング/ルートプレーニング(SRP)といった歯 周基本治療から行い、必要な歯の歯内療法や抜歯も実施しました。治療後の再評価 では出血や腫れが改善し、健康的な歯ぐきの状態に近づきました。その後はSPT(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー)へ移行し、良好な状態を維持しています。

■ 症例② 限局型慢性歯周炎(ステージⅢ グレードB)
2 つ目の症例は「歯石を取りたい」という希望で来院された患者さんです。初診時には歯肉の腫れ・出血・歯石の沈着が確認され、パノラマ写真で軽度の骨吸収と部分的に深いポケットが認められました。

こちらの症例でも、口腔衛生指導・PMTC・SRPを中心に数ヶ月かけて治療を行い、ブラッシングの見直しも継続しました。再評価時には歯周ポケットの改善や炎症の軽減が見られました。


今回の発表で共有されたこと
2 つの症例に共通していたのは、患者さんとの信頼関係(ラポール)を築きながら、正 しいセルフケア習慣を身につけてもらうことが歯周病治療の成功につながるという点 でした。特に歯周病は、治療だけでなく患者さん自身の生活習慣や日々のケアが結果を大きく左右します。歯科衛生士は「歯周治療は患者さんと一緒に取り組むもの」という事を話していました。 今回の院内セミナーは、歯科衛生士自身の学びだけでなく、スタッフ全員にとって歯周病治療の重要性を再確認する良い機会となりました。今後も当院では、こうした症例共有を続け、知識と技術の向上を図りながら、患者さんの健康を守るために努力し てまいります。