皆さんは「口腔機能低下症」という言葉を聞いたことがありますか?
口腔機能低下症とは、言葉通り口の中の様々な機能が低下している症状のことです。原因は様々あり、加齢や疾患、障害、薬の副作用など様々な要因があります。
症状としては下記のようなものがあげられます。

このように、食べ物がうまく噛めない、吞み込みにくい、むせてしまうといった症状を起こすことがあり、放置しておくと咀嚼障害、摂食嚥下障害などが生じて全身の健康に悪影響を及ぼします。 また、食べにくくなったり、話しにくくなったりすることで、コミュニケーションをとることを億劫に思うようになり、外出を控えてしまったり、人と会うことを嫌がったりなど社会性の低下につながります。

口腔機能低下症の診断について
 口腔機能低下症は下記の7つの症状(口腔衛生状態不良、口腔乾燥、咬合力低下、舌口唇 運動機能低下、低舌圧、咀嚼機能低下、嚥下機能低下)のうち、3項目以上該当する場合に口腔機能低下症と診断されます。

1.口腔清掃状態
 舌表面を9分割し、舌苔の汚れを確認します。50%以上汚れがついていると該当します。

2.口腔乾燥
 専用の機械を使用して口腔粘膜の湿潤度を測定し評価します。

3.咬合力低下
 残存歯数で評価します。20本未満で該当します。

4.舌口唇運動機能低下
 専用の機械を使用して
「パ」・・・口唇の動き
「タ」・・・舌前方の動き
「カ」・・・舌後方の動き
の1秒あたりの発音回数を測定します。いずれも6回未満で該当します。

5.低舌圧
 専用の機械を使用して、舌圧測定を行います。最大舌圧が30kPa未満で該当します。

6.咀嚼機能低下
 グミを30回咀嚼していただき、どれくらい噛み切れているか確認し評価します。

7.嚥下機能低下
 問診票を記入していただき、評価します。
   

口腔機能低下症と診断されたら
 これらの検査を行い、口腔機能低下症と診断された場合当院では管理計画書を作成致し、検査結果と今後の治療について説明いたします。ご自宅でご自身でのトレーニングが必要になりますので、トレーニング方法を確認致します。
また1か月に1回ほど来院していただきトレーニングの確認を行っていきます。
3~6か月後再検査を行い、再評価と今後の方針について説明を行います。