高齢者歯科学

五十嵐尚美(いがらし歯科医院 院長)


こちらのページでは、尚美先生による「高齢者歯科学・介護保険制度」に関する国家試験対策講義動画を掲載しています。

 制度の仕組み、特定疾病、認定プロセス、給付内容など、試験頻出事項を体系的に学ぶことができます。

学生・医療従事者の皆さまの学習支援にお役立てください。

高齢者の健康に関わる法制度:国家試験対策の全体像

以下は音声解説のテキストデータとなります

みなさんこんにちは。
今日は高齢者の健康に関わる法制度について、国家試験対策の視点から全体像を解説します。
法の変遷を読み解きながら、年号と法律名、そして対象年齢のセットを確実にマスターしていきましょう。

まずは福祉の基礎です。
1963年の老人福祉法制定から始まり1973年の福祉元年には70歳以上の医療費無料化が実現しました。
この時代の高齢化率7%超という数字も合わせて覚えておきましょう。

1982年には老人保健法が成立し、大きな転換点を迎えます。
それまでの治療中心から予防へと目的な移り、医療費無料化が廃止され、1割負担が導入されました。運営主体が市町村である点も重要です。

国試頻出ポイントの確認です。
老人保険法では、40歳以上を対象とした保険事業と、75歳以上を対象とした医療給付という対象年齢の違いに注意が必要です。
健康審査や機能訓練など、40歳からの予防が鍵となります。

2000年には介護保険法が施行され、医療と福祉から介護が切り離されました。
その後2006年の抜本改正により、老人保険法は高齢者の医療の確保に関する法律へと名称が変更されています。

2008年から始まった後期高齢者医療制度の仕組みです。
対象は75歳以上ですが、試験対策で最も重要なのは、運営主体が広域連合であることです。
窓口業務は市町村が行うという分担もしっかり整理しましょう。

続いて、特定健康審査についてです。
40歳から74歳を対象とした、いわゆるメタボ対策です。
根拠法は高齢者医療確保法で、実施義務が健保組合などの医療保険者にあることが大きな特徴です。
ゴールドプランの変遷も見ておきましょう。

1989年の策定から始まり、新21とアップデートされました。
施設整備中心から、在宅ケアや地域生活の重視、高齢者の尊厳を守る方向へとシフトしていきました。

認知症施策についても確認します。
オレンジプランから始まり、最新の推進対抗では強制と予防が2つの大きな柱となっています。
歯科衛生師の役割など、多職種連携も重要なキーワードですね。

最後に本日のまとめです。
1963年の老人福祉法から2008年の高齢者医療確保法までの流れを一覧にしました。
40歳以上の特定健診と75歳以上の後期高齢者医療の違いを軸に復習して試験に備えましょう。

歯科衛生士国家試験対策講義

以下は音声解説のテキストデータとなります

歯科衛生士の国家試験対策として、介護保険制度と高齢者を取り巻く環境について解説します。 制度の仕組みから特定疾病、地域包括ケアまで、合格に必要なポイントを網羅して整理していきましょう。

介護保険の運営主体である保険者は誰か、という点は基本です。 正解は市町村及び特別区です。 国ではありませんので、注意してください。
制度は2000年4月に高齢化や家族の負担増を背景に施行されました。 被保険者の区分第1号と第2号の違いをマスターしましょう。

第1号は65歳以上で原因を問わず受給可能です。 一方、第2号は、40歳から64歳の医療保険加入者で、加齢に起因する特定疾病がある場合に限られます。 第2号被保険者の認定要件となる16種類の特定疾病です。
末期がんや脳血管疾患などが含まれますが、試験で狙われやすいのは糖尿病です。 単なる糖尿病ではなく、神経障害や腎症などの合併症が条件となります。 申請から認定までの流れを確認します。

まず市町村に申請し、訪問調査と主治医の意見書をもとにコンピュータが一時判定を行います。 その後、学識経験者による介護認定審査会が二次判定を行うのが重要なステップです。 要介護度とケアプラン作成者の関係です。 要介護5から5は介護給付となり、居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します。

一方、要支援1・2は予防給付で、地域包括支援センターがマネジメントを行います。 2006年の制度改正により、予防重視型システムへと建管されました。 これにより地域支援事業が創設され、要支援者や基本チェックリスト該当者を対象とした訪問型・通所型の総合事業が展開されています。
2025年問題への対応として重要なのが地域包括ケアシステムです。 医療・介護・住まい・予防・生活支援を一体的に対処します。 地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーの3職種が配置されます。

多職種連携における歯科の役割は非常に大きいです。 歯科衛生士は航空ケアによる護衛性肺炎の予防や接触・塩下リハビリテーションも担当します。 間接訓練と直接訓練の違いもしっかり整理しておきましょう。

高齢者を取り巻く環境として、老老介護の現状についても理解が必要です。 主な介護者の半数以上が同居家族であり、歯科衛生士は患者本人だけでなく、配偶者などの介護者に対する口腔衛生指導も行う視点が求められます。 それでは実践トレーニングです。

予防給付は、要支援1・2の該当者に対して行われるという選択肢が正しい内容となります。 保険者は、市町村であることや二次判定を行う組織名など、誤りやすい箇所を復習してください。 本日のまとめです。 保険者は、市町村対象者の区分、認定の流れ、そして地域包括ケアの一員としての歯科の役割。
これらの制度を深く理解し、現場で信頼される歯科衛生士を目指して頑張りましょう